戸建て住宅は、大きく分けて二つに分かれます。『注文住宅』と『建売住宅(戸建て分譲)』です。
新しい家を建てる際には、自分の生活スタイルや予算、理想の住まいに対する希望を考慮して、注文住宅か建売住宅かを選択することが重要です。
そして『注文住宅』はハウスメーカーが主体で『建売住宅』はパワービルダーが主体で日本の住宅は共有されてきました。
この記事では、『注文住宅』と『建売住宅』市場の状況と、ハウスメーカーとパワービルダーの違いをご説明します。
『注文住宅』と『建売住宅』市場状況
近年の住宅市場では、
注文住宅が減少傾向にある一方で首都圏を中心に建売住宅が増加傾向を示してきています。
注文住宅の現状
・地方における新築の需要と都市部の建て替え需要が大きい
・世帯数の伸びが鈍る中、建て替えや二世代住宅などが需要を下支えしている
持家の再建築率(前の持ち家を壊して同じ敷地に着工した持ち家の全体の住宅着工に占める割合)は、首都圏など都市部で高く、都市部では建て替えの際、二世帯住宅の希望も多いことがわかってます。また、敷地が広く、駅に近くて利便性が高いといった条件を満たす場合には、賃貸併用住宅に建て替えたいとする希望も少なくなく、保有する土地を有効に活用したいと考える人が非常に多くなっています。
ただ、注文住宅が減少しているのは、注文住宅の性質上、市場経済が住宅市場に大きく影響します。
失業率の高まりや年収所得の減少など、若年層の将来への不安感があるうちは住宅取得に向けて動くにくく。他方で、シニア世代からの子どもへの援助も金融資産や地価の下落もあり難しいものとなっています。
建売住宅の現状
建売住宅が増加傾向にあるのは、
建売住宅を大量に建築するパワービルダーが台頭してきたことが大きい
パワービルダーとは、一般的に低価格の建売住宅に特化した住宅販売会社のことを言います
パワービルダーは郊外を中心に、初めて住宅を取得する子どもを持つ若い夫婦などをターゲットにして、土地面積100㎡(30 坪)程度の割安な住宅を数戸から数十戸単位で供給販売して成長を遂げてきました。
間取りなど出来るだけ規格を統一し、資材の一括仕入れを行うことなどにより、低コスト化を実現して価格的には分譲マンションと競合できる戸建住宅を建築することが可能な会社が多いです。要するに、分譲マンションとそう変わらない値段で一戸建てを取得できるということで、建売住宅の人気を高めました。
注文住宅と建売住宅のメリット・デメリット
注文住宅のメリット
- カスタマイズが可能
- 自分のご希望に合わせて間取りやデザインをカスタマイズ可能
- 理想の仕様を実現
- 要望や好みを反映させることができ、理想の住まいを実現
- 長期的な住まい
- 自分の家族の将来を見据えた計画
注文住宅のデメリット
- 費用と時間がかかるカスタマイズ
- 建築コストと建築期間が長くなる場合があり
- 間取りやデザインの決定が難しい
- オプションや選択が多く悩むことがある
建売住宅のメリット
- 早期入居が可能
- 建売住宅は先に建てられたものが多いため、引っ越しや入居が早い
- 価格が抑えられる
- 建売住宅は一括施工されているため、価格が比較的抑えられる場合がある
- デザインのイメージがつきやすい
- 実際に見学できるため、デザインや間取りのイメージがしやすい
建売住宅のデメリット
- カスタマイズが制限される
- どなたのプランに合わせるため、カスタマイズが自由ではない
- 希望のエリアに限りがある
- 希望のエリアで建売住宅を見つけることが難しい
ハウスメーカーとパワービルダーの違い
ハウスメーカーとパワービルダーは事業の戦略が大きく異なります。
・高価な設備仕様
・多彩な外観デザインと間取りプラン
・高級な街並みとそれにマッチした建物
・省エネ、セキュリティ等への対応に注力
・パワービルダー系との競合をさけた付加価値の高い高額物件が多い
例えば大手ハウスメーカーでは、全国的に営業網を持ち、多数の営業スタッフを有していたり、各種マスコミを使って宣伝し、住宅展示場にもモデルルームを展示しています。特に大都市部やその周辺に強いのも特徴でしょう。
よく大手ハウスメーカーは、大量生産によってコストダウンを図っているといわれたりしますが、人件費や広告費などの高コスト体質から、価格は高くなるのが傾向と言えいます。
・駅30km圏内の都心立地
・団塊ジュニアや若年層がターゲット
・3,000万円以下の低価格帯の規格型住宅
・短期間で売り切る販売スピード
・プレカットされた建築資材や設備機器の大量仕入れによるローコスト住宅
一般的には特定の地域で大手住宅メーカーにも引けを取らない実績を挙げている工務店を言うことが多いです。
ハウスメーカーと工務店の違いで最も分かりやすいのが、売上高や人員などの「規模」と言えます。
このほかに自社のアピールに使われる広告費があります。大手のハウスメーカーは全国的にTVCM を打っていますが、この経費は膨大。工務店はそもそもTVCM すら打っていないケースもあるので、その分、住宅価格が抑えられる事もあるでしょう。
消費者が住宅購入の検討をするにあたり訪れるのが住宅展示場ではありますが、これは基本的に大手ハウスメーカーの集客の場であり、モデルハウスの建設・運営の費用も価格に反映されます。工務店の中にも展示場に出展したり、独自にモデルハウスを設けている場合がありますが、それほど多くはないのが現実でしょう。ハウスメーカーのように一定期間で建て替えることも少ないので、価格に反映される度合いは少なくなっています。
首都圏なら首都圏全体で営業活動を展開するところもありますが、都道府県単位に限られるケースもあります。また、フランチャイズの本部として中小の工務店にノウハウを提供しているFC やVC のハウスビルダーがあるのも特徴です。
まとめ
新築住宅を建てる際には、注文住宅と建売住宅の選択肢がありますが、それぞれに特徴やメリット、対策があります。正しい選択をするためには、自分や家族の生活スタイル、予算、将来のライフ計画を考慮する必要があります。
注文住宅は、
自分の理想の家を実現できるカスタマイズ性が魅力です。間やデザインを自由に選び、家族それぞれのニーズに合わせた家を建てることができます。また、将来のライフスタイルに合わせてただし、カスタマイズによる建築コストと時間がかかることや、オプションやデザインの決定が難しい場合もあります。
一方、
建売住宅は、
先に建てられた家を購入するため、早期入居が可能で、価格も一般的に抑えられる傾向があります。また、実際に見学できるため、デザインや間取りのイメージがつきやすい、スムーズに購入できる余裕があります。ただし、カスタマイズが限られているため、細かい要望を反映させることが難しい場合もありますし、希望のエリアで建売住宅を見つけることが難しいこともあります。
さらに、ハウスメーカーとビルダーの選択も重要なポイントです。
ハウスメーカーは信頼性やブランド力が高く、アフターサービスが充実していることが多いですが、カスタマイズには時間とコストがかかる場合があります。一方、建売住宅を提供するビルダーは、早期入居や価格面でメリットがあるもの、プランやデザインが制限されるという特徴があります。
最終的な選択は、自分のニーズと希望に最も合った住宅を見つけることが大切です。
注文住宅は自分の理想を形にする満足感がある方、建売住宅は手軽に入居できる利便性が魅力ハウスメーカーとビルダーの安全性やサービス、価格とのバランスも考慮して、長期的な幸せな住まいを選択しましょう。
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