注文住宅は打ち合わせ・建築の時間が長く引渡しを受けるまでの事を中心に考えがちですが、やはり快適な住宅に住み続けることを目標にしなければなりません。しかしながら、長く住むうちには必ず経年トラブルが発生します。
その為、ハウスメーカーの保証・アフターサービスを比較検討は必ず必要です。
【保証】
定めた期間や内容について、問題が起きないことをお客様にお約束すること(問題が起これば建築会社が無償対応)期間や内容は、契約書や保証書に明記される
【メンテナンス】
基本性能を維持するために、定期的に有償で実施する保全工事のこと
そこで本記事では、ハウスメーカーはどのような保証・アフターサービスを用意しているのか、比較検討すべきポイントはなにか、主要ハウスメーカーの特徴とともに解説します!
ハウスメーカー保証年数一覧と特徴
保証年数一覧
ハウス メーカー | 初期保証 | 延長保証 | 点検期間 | 無償点検 | その他 |
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積水ハウス(鉄骨) | 構造:30年 防水:30年 防蟻:10年 | 構造:60年以上 防水:60年以上 防蟻:60年 | 生涯点検 10年毎 | 30年目 まで | いえろぐ カスタマーズセンター |
積水ハウス (木造/シャーウッド) | 構造:30年 防水:30年 防蟻:10年 | 構造:60年以上 防水:60年以上 防蟻:60年 | 生涯点検 10年毎 | 30年目 まで | いえろぐ カスタマーズセンター |
セキスイハイム (鉄骨/ハイム) | 構造:30年 防水:30年 防蟻:10年 | 構造:30年 防水:30年 防蟻:20年 | 60年点検 | 60年目 まで | 磁器タイルの外壁保証30年 コールセンター |
セキスイハイム (木造/ツーユー) | 構造:20年 防水:20年 防蟻:10年 | 構造:20年 防水:20年 防蟻:20年 | 60年点検 | 60年目 まで | コールセンター |
大和ハウス (ジーヴォΣ) | 防水:30年 防蟻:10年 | 構造:30年構造:60年以上 防水:60年以上 防蟻:60年 | 生涯点検 5年毎 | 25年目 まで | シロアリ保証10年 設備機器保証10年 |
住友林業 | 構造:30年 防水:30年 防蟻:10年 | 構造:60年 防水:60年 防蟻:60年 | 60年点検 | 25年目 まで | 60年目まで12回の無料点検 コールセンター |
三井ホーム | 構造:60年 防水:10年 防蟻:10年 | 構造:60年 防水:60年 防蟻:60年 | 60年点検 | 30年目 まで | コールセンター |
ミサワホーム | 防水:30年 防蟻:10年 | 構造:35年構造:60年以上 防水:60年以上 防蟻:60年 | 生涯点検 10年毎 | 25年目 まで | シロアリ保証10年 仕上げ付属部品保証2年 設部保証5年など |
パナソニック ホームズ | 防水:30年 防蟻:10年 | 構造:35年構造:35年 防水:30年 防蟻:10年 | 60年点検 | 20年目 まで | 対象商品の地震あんしん保証 |
トヨタホーム | 構造:30年 防水:15年 防蟻:10年 | 構造:60年 防水:60年 防蟻:30年 | 25年目 まで | ||
一条工務店 | 構造:10年 防水:10年 防蟻:10年 | 構造:30年 防水:30年 防蟻:30年 | 20年保証 | 20年目 まで | アフターサポートセンター モバイルアプリ |
初期保証
基本となる保証が「初期保証」です。
具体的には、住宅の品質確保の促進に関する法律に準じた「建物の基礎と水漏れ」に対する保証であり、ハウスメーカーの義務とされている10年間を基本に、各社が独自の保証期間を設定しています。
初期保証の対象となる基礎・水漏れに関しては、原則として無償対応となり、20年、30年など、長期に渡る初期保証を確約するハウスメーカーも少なくありません。
延長保証
初期保証の期間終了後も、ほとんどのハウスメーカーが「延長保証」を可能としていますが、ハウスメーカーによっては60年、あるいは建物が存続する限り永年といった最長保証期間を設定している場合もあります。
ただし、住宅購入者の任意となる延長保証に関しては、有償対応となるパターンが基本です。具体的には、ハウスメーカーの提案する補修・メンテナンスを有償で実施することで、5年、10年といった延長保証が付帯される場合がほとんどです。
ハウスメーカー各社の解説
積水ハウス
鉄骨
積水ハウスの鉄骨は、10年点検時、20年点検時は点検料無料で対応。
補修工事が必要と判断された箇所は無償補修一度保証が切れても、必要な点検と有償工事実施で保証再開可能防蟻再施工後、鉄骨は10年保証、木造は5年保証!
ユートラスシステム
積水ハウスは初期20年保証の時から、途中で保証が切れても、必要な有料点検・工事を行えばいつからでも再保証が受けられ、10年間の再保証を繰り返し受けることができる「ユートラスシステム」が最大の特徴です。
この仕組みは積水ハウスの高い品質の裏付けにもなっているほか、既存住宅として流通しているオーナーチェンジ物件についても再保証することができるためスムストックとも相性が良いです。
これに構造・防水の初期30年保証が加わったことで、他社との差別化を図ろうという流れになっています。
商品としては、2011年に発売した鉄骨主力の「イズ・ロイエ」より、「高耐候塗装」と「高耐久シーリング」を主力商品に標準化。高耐久外壁にすることで、従来比2倍の約30年の外壁メンテナンスサイクルを実現。外壁において30年間で約120万円のメンテナンスコスト低減が可能とアピールしていましたが、長期保証制度をスタートしたことにより、その性能が裏付けられたことになります。
もちろん、他社でも保証期間を延長する動きが出てきていますが、「最長60年まで」とする会社が多い中、積水ハウスでは必要な有料点検・有償工事を行うことで60年目以降も“建物がある限りいつまでも”保証することをポイントとしており、最近では「永年保証」という呼び方でアピールしています。
セキスイハイム
鉄骨
2018年より30年保証導入しました。
ただし、30年保証を適用するには、引渡し後3回の定期点検及び5年目までの5年ごとの定期診断を受け補修・メンテナンスを行う事が条件となります。
木造(ツーユー)
木造では延長保証は存在しておらず、アフターサポートに注力!
防蟻は初期10年対応(5年ごとの防蟻処理により、20年目まで延長することが可能)
大和ハウス
25年点検まで無料で30年目、45年目の優良メンテナンス工事実施で15年保証延長
防蟻保証は有料メンテナンス後、10年間または5年間の保証
大和ハウスの保証制度の特色として挙げられるのは、商品のグレードによって保証制度にもバリエーションを持たせている点です。
流れとしては、18年9月発売の「ジーヴォΣプレミアム」について「外張り断熱通気外壁」の二重防水構造を強化し、初期30年保証(構造・防水)に踏み切りました。
その後、鉄骨系主力のジーヴォΣ、木質系主力のジーヴォグランウッドといった商品でも初期30年保証に対応していった。一方で、値ごろ感のあるジーヴォADVANCEやライフジェニック(WEB訴求商品)に関しては、構造初期30年、防水初期15年の保証としています。つまり、商品のグレードに応じて保証制度およびアフターサービスに差を設けたということです。
ハウスメーカー同士の競争によって保証期間は伸びる一方ではありますが、お客様によっては、手厚い保証よりも新築時の価格が低い方が良いというニーズもあるでしょう。
住友林業
20年4月1日以降の契約したお客様より、構造・防水初期30年の「60年保証システム」スタート
30年目に保証延長を希望する場合は以降10年毎の有料メンテナンス工事が必要
防蟻保証は初期10年+10年延長の繰り返しが可能です。
三井ホーム
構造保証は初期60年保証、但し10年ごとの点検と所定の有料メンテナンス工事の実施が条件となります。防水施工は10年目以降、10年毎に必要なメンテナンス工事実施により10年の保証
防蟻保証は初期10年+10年延長の繰り返し対応可能
ミサワホーム
20年4月1日以降に契約したお客様より、構造初期35年保証をスタート!
点検制度による点検(無償)と耐久性診断(有償)の実施、耐久性維持のために必要と判断された有償工事が必要になります。また、防蟻は初期10年+10年延長の繰り返しで対応
パナソニックホームズ
19年10月より「35年あんしん初期保証」をスタート!
構造初期35年保証による最長を謳うが、20年までに有料メンテナンス工事が必要防蟻有料メンテナンス後、10年間または5年間の保証
住宅保証に関する基本情報
長期保証の歴史
住宅の長期保証の歴史をみると、実はハウスメーカーの中で長期保証に真っ先に取り組んだのは、82年に業界に先駆けて全商品で「10年間保証」を導入した三井ホームだと言われています。
当時はまだ、品確法による保証期間が定められていなかった時期ということもあり、お客様に対して安心感を強くアピールできる画期的な仕組みだったそうです。
また、92年には「20年保証(10年目の有料メンテナンス条件付き)」をスタートと、この分野の先駆者として歩んでいました。
そしてその翌年には住友林業が20年保証をスタートするなど、当時の木造メーカーを中心に採用されていきました。
2000年4月には、阪神淡路大震災の記憶も新かったこともあり、住宅の品質を高め、住宅購入者の利益を保護し、トラブルを迅速かつ適正に解決するという目的で「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」が施行されました。
結果、品確法の施行により構造耐力上主要な部分および雨水の浸入を防止する部分について「10年間の瑕疵担保責任」が規定されました。
つまり、すべての新築住宅については10年間の瑕疵担保責任が保証されることになったのです。
「基礎」「雨漏り」は10年間保証
新築住宅を建てる場合、どこのハウスメーカーに依頼しても「建物の基礎になる部分」「雨漏りに影響する部分」に関しては、完成引渡後10年間、保証による無償対応が得られます。
これは、2000年4月1日から施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」によって、ハウスメーカーの瑕疵担保責任が義務化されたためです。保証の対象となるのは、
- 構造耐力上主要な部分
- 雨水の侵入を防止する部分
であり、住宅を購入した側は、ハウスメーカーに対し「修補請求」「損害賠償請求」「修補不能な場合の売買契約解除」を請求できます。
万一の場合でも保証される?
ハウスメーカーの資金力が乏しく保証が難しい場合、依頼先が倒産してしまった場合など、万一の場合でも「保険」「供託」で、住宅を購入した側の利益は保護されます。
これは、2009年10月1日に施行された「住宅庇護担保履行法」によって、住宅を販売するハウスメーカー側に「保証するための資力確保」が義務付けられたからです。
まとめ
最適なハウスメーカーを選定するためには、保証・アフターサービスはもちろん、設計・建設・コストを含めたトータルでの判断が重要です。できる限り多くのハウスメーカーに相談し、後悔のない一社を選定しなければなりません。
新築した住宅に安心して住み続けるためにも、ハウスメーカーの保証・アフターサービスを比較し、特徴とともに解説してきました。
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