ハウスメーカー別構造比較と解説

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 注文住宅は、完成したら何十年も住むことになるのが一般的です。
 高額な住宅を建てるので、長く快適に暮らせる家にしたいものです。しかし工法・構造についての知識がないと、注文住宅でも理想が制限される可能性があります。

 実現できる間取りや家の性能は、工法・構造による影響が大きいです。全ての工法・構造に対応できるハウスメーカーはなく、提供しているブランドごとに基本的な設計が決まっています。注文住宅なので全て自身で決められると思っていても、ハウスメーカーを利用する限り制限は避けられません。

注文住宅の間取りの決め方について詳しく解説したこちらの記事もおすすめです。

目次

構造比較

鉄骨メーカーの構造比較

スクロールできます
会社積水ハウス積水ハウス大和ハウス
ジーヴォΣ
大和ハウスヘーベルハウスヘーベルハウスパナソニックホームズパナソニックホームズセキスイハイムトヨタホーム
イメージ
工法
名称
ユニバーサル
フレームシステム
フレキシブルβシステム  ジーヴォΣ鉄骨トリプルコンバインド
システムジーヴォ
ハイパワード
制震ALC構造
システム
ラーメン構造
制震鉄骨軸組構造(HS構法)大型パネル(F構法)ユニット工法ユニット工法
一般
構法名
鉄骨軸組工法鉄骨ラーメン工法鉄骨軸組工法鉄骨軸組工法鉄骨軸組工法鉄骨ラーメン工法鉄骨軸組工法モノコック構法鉄骨ラーメン工法鉄骨ラーメン工法
特長2本のC型鋼を背中合わせに接合した柱が構造的、
防錆処理に優れていること、また設計自由度をアピール
高層ビルなどに用いられる重量鉄骨ラーメン構造
を進化させた構法。
通し柱が不要なため、上下階の柱を自由に配置するなど、設計自由度の高さをアピール
耐力壁に、エネルギーを吸収する独特な形状の筋交い「ディーネクスト」を搭載した構造。
高い天井高と地震の強さをアピール
2つのブレースが柱を挟み込む
3本一体化の構造で、
地震の強さをアピール
制震フレーム「ハイパワードクロス」と
「剛床システム」を組合せた構造。
空間単位で柱梁を構成し、
可変性の高さをアピール
(ユニバーサルグリッド)
門型フレームのひとつひとつが
分担しながら全体を支えあうメカニズムにより、他の構造体に比べてリフォームの自由度が高いという点をアピール
制震装置「アタックフレーム」を
標準採用して耐震性と、
高さも幅も15cmきざみで
設計可能で高い敷地
対応力
が特徴。
大型パネル構造は外壁や床、屋根などのパネルを一体化させた、「強固なブロック体」です。構造体全体で荷重をしっかり受け止める、いわゆる「モノコック構造」となっていることがポイントです。工場による溶接と
強固なボルト接合で
強いユニットをアピール
太い柱、強い梁、変形防止
プレートを備えた接合部による
強靭な鉄骨ラーメンユニット
構造
構造材

形状
80mm×60mm
(C形鋼×2本)
重量鉄骨
H型鋼
軽量鉄骨
80mm角
軽量鉄骨
C型鋼:60mm角
柱:80mm角
梁せい:250mm
柱:150mm角
梁せい:250mm
柱:80mm角 (厚み3.2mm)
梁せい:250mm
軽量鉄骨H型鋼
通し柱:80mm角
梁せい:320mm(又は200m)
柱:100mm・120mm角形鋼管
鉄厚:4.5mm
125mm角
制振
装置
シーカス
特になし■ディーネクスト
■ハイパワードクロス
■オイルダンパー制震システム「サイレス」

■アタックフレーム

阪神淡路大震災の2倍の地震エネルギーでも2階の床面の変形量はわずか1.8cm
■パワテックパネル

耐力は震度5でも変形量はわずか1/400(建築基準法の半分)
【特になし】
複合耐震システム「GAIASS」標準採用耐力壁とボックスラーメン構造で耐震+粘り
■T4システム
制振
装置

性能
【特殊高減衰ゴム】
建物変形量を
約50%低減
【粘弾性体・ゴム】
建物を揺れを
約20%~50%低減
【特殊鋼材】
建物変形量を
約30%低減
【特殊鋼材】
低減量は記載なし
【シリコーンオイル】
建物変形量を
20~70%低減

木造メーカーの比較

スクロールできます
会社積水ハウス住友林業
ビックフレーム工法
住友林業
マルチバランス工法
セキスイハイム
ツーユー
ミサワホーム
パネル工法
三井ホーム一条工務店
イメージ
工法
名称
シャーウッド構法  ビックフレーム工法 マルチバランス工法2×6ユニット工法木質パネル工法2×6工法(2×4工法)外内ダブル
断熱構法
 
特長最大の強さの秘密は、集成材を独自の構造用金物で、高い耐震性と設計の自由度と高強度を極めてます。
木造軸組構法で唯一「型式適合認定」を取得しています。
一般的な柱の5倍以上の
幅で、高い耐震性をアピール
木造でありながら、
大空間・大開口を実現
構造躯体の外周部の
耐力面材「きづれパネル」と、
高剛性・高減衰ゴムを
用いたエネルギー吸収パネル
で高い耐震性をアピール
1・2階などのユニット間や
基礎・1階間といった部分の接合を、新開発のジョイント金物によって行うことで接合強度を高めたことをアピール
2×6工  法の壁面が
外力をバランスよく分散する
モノコック構造をアピール
構造材の
形状
構造柱:120㎜角
梁:120㎜×150∼450㎜

105mm×560mm
120mm角などエンジニアリングウッド:38mm×140mm
壁:SFCボード12~18mm
+OSBボード9.5mm
木質パネル120mm厚
高耐力LVL材
2×6材を中心
含水率19%以下の木材
構造用合板t25mm
制振
装置
特になし■地震エネルギー吸収パネル
■MGEO
制振
装置

性能
【特殊高減衰ゴム】
建物変形量を
~約70%低減
【特殊高減衰ゴム】
建物変形量を
約13%~50%低減
防蟻
処理

(シロアリ対策)
・防蟻・防湿フィルム上に
ベタ基礎
・主要木材に防腐・防蟻処理を
施した国産檜を使用
・加圧注入式防腐
防蟻処理
・断熱材にも防蟻処理
防蟻処理
初期保証
10年10年15年

一般的な工法の基本情報

工法特長メーカー
木造軸組工法・敷地対応力に優れている
・設計の自由度が高い
・住友林業
・一条工務店
・中小工務店
鉄鋼軸組工法・工場生産のため精度、品質が高い
・耐火性に優れている
・積水ハウス
・大和ハウス工業
・旭化成ホームズ
・パナソニックホーム
ラーメン工法・工場生産のため工期が短い
・大空間を実現できる
・旭化成ホームズ
・積水化学工業
・ミサワホーム
2×4 工法・気密性、断熱性に優れている
・デザイン性に優れている
・大東建託
・三井ホーム
・三菱地所ホーム
・スウェーデンハウス
・東急ホームズ

軸組工法(木造・鉄骨)

木造軸組イメージ

・柱、梁といった線材(軸)を組上げる工法
・木造、鉄骨造がある

【メリット】
・間取り自由度が高く、特に屋根形状の自由度が高い
・工場生産化が進み、現地施工の工期が短い

【デメリット】
・耐力壁や筋交いなどをバランスよく配置する必要があるため柱のない大空間や壁全面窓等の自由度は低い

木造の軸組工法は、持家戸建て全体の75%のシェアを誇っており、北信越・東北・九州の地方エリアに関しては80%を超えています。もちろんシャアの多さは施工業者の多さも上がりますので、工事費が他工法よりも割安になる可能性があります。

ラーメン工法

ラーメン構造イメージ

・柱と梁を溶接やボルトで強力に接合して一体化した構造
・ラーメンはドイツ語で「枠」の意味

【メリット】
・間取り自由度が高い
・強力に固定された柱と梁で水平加重にも対抗し、耐震性に優れる

【デメリット】
・建方工事の際、クレーン等を用いるため狭小地で施工が困難な場合がある
・一般的にビルなどに用いられる強固な工法だが、コストが高くなる傾向がある

2×4工法

ツーバイフォー工法イメージ

・木造枠組壁構法の通称で木材をフレーム状に組み、合板を打ちつける工法
・2インチ×4インチ(6 インチ)の角材を基準に規格化された角材を用いる

【メリット】
・施工道具がノコギリ&カナヅチ程度のため、熟練した職人が不要である
・釘から施工方法まで日本ツーバイフォー協会で規定されているため品質が確保し易い

【デメリット】
・フレーム壁で強度をもたせているので、増改築がしづらい
・壁の量と配置バランスによって建物が構成されているので大きな窓を開けたりすることは不得意

2×4工法は、持家戸建て全体の10%程度と日本国内としてはそこまで多くありませんが、北海道の寒冷地や東京等の都市圏で根強い人気があります。

2×4工法の住宅は北米で主流となっています。アメリカ、カナダでは一般の住宅の9割は2×4住宅で、ヨーロッパでも北欧を中心にかなり高いシェアを占めています。

日本では比較的新しい住宅ではありますが、北米やヨーロッパでは在来工法の住宅として主流を形成しています。

その他の構法

RC造住宅

RC造住宅の分類技術と革新

  • RC造(コンクリートの中に鉄筋を配した素材を使用)
    • 中高層までの建物に採用される。
  • SRC造(鉄骨造とRC造を組み合わせたもの)
    • 高層ビル・マンションなどに採用される。
  • 革新技術
    • 混合剤を使用して高強度コンクリートを生み出す、工場で製造するプレキャストコンクリートの登場、軽量コンクリート(ALC)の活用など。

RC住宅の特徴

  • 基本性能が高い
    • 耐震性、耐久性、耐火性、劣化防止、防音性、断熱性などが優れている。
  • デザイン性に優れる
    • 型枠によって多様な形状を成型でき、曲線や斜線などのデザイン匠を取り入れやすい。個性的な住宅や商業施設などに適している。

耐震性能に関する基本情報

住宅にはたらく、外力の種類

建物が倒壊しないためには、以下の力に耐える強度を持っていることが必要です。建物を構成する部材に対し、どのような力がはたらくかを求め、その力に耐えるにはどのような部材が必要なのかを設計します。建物にはたらく力は以下のように分類されます。

①固定荷重(G):柱、梁、壁、床、屋根などの建築物の自重
②積載荷重(P):人間、家具、調度、物品などの荷重
③積雪荷重(S):積雪による荷重
④風圧力(W):暴風時に建築物に作用する外力
⑤地震力(K):地震時に建築物に作用する外力

特に重要度が高いのが、⑤の地震力です。

これは、地震が建物におよぼす被害が最も大きいためで、建物の性能として要求されるのが耐震性能です。地震力が建物の重量に比例することにも留意してください。地震力は水平荷重として建物にはたらき、その荷重が加わると、建物は柱→基礎→地盤へと伝わります。ちなみに、地震は縦にも揺れますが、力が小さいので計算上では算入しません。

「耐震」「免震」「耐震+制震」の違い

「耐震」「免震」「制震」といった3つの地震対策には、それぞれメリットとデメリットがあります。

多くのハウスメーカーでは、繰り返し起きる地震に耐え、その後も住み続けることができる高いレベルの「耐震住宅」と窓の位置や間取りの制約が少ない「耐震+制震住宅」を採用しています。

耐震

建物全体で地震の揺れに耐え、建物の倒壊を防ぎます。
ただし、建物の構造体が損傷を受ける可能性があります。

免振

建物と地面を切り離して地震の揺れを建物に伝達させないようにします。
ただし、敷地条件や地盤条件に制約があります。

制振

制震装置が地震のエネルギーを吸収し建物変形を軽減します。
ただし、窓の位置や間取りが制限される場合があります。

構造体の大敵 シロアリに関する基本情報

シロアリは蟻の仲間ではなく、ゴキブリに近い仲間で、その分類からもわかるように、① 当たりの悪いところ ②湿気が多いところ ③風のないところを好みます。特に空気の流れに敏感で、空気の動きがないところを加害します

床下換気が必要な理由
・床下は湿気がこもりがちで日光があたらないため、錆の原因やシロアリ被害が発生しやすくなります

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